4日前から始まった荒天は夕方になって、ようやく収まってきた。北陸では11月になると、時雨れる日が多くなる。冬の先触れというと穏やかに聞こえるが、荒れた天候になることが多い。私には天が「長く暗い冬が今年もくるぞ」と断固とした態度でこちらに覚悟を迫ってくるように思える。
時雨、時雨れるは、その洗礼を受けたことのない人たちには冬の季語として、詩的にひびく。私もそんな気候と無縁な土地に生まれ、育ったので、40年余り前、初めてこの天気に遭遇したときは驚いた。いきなり強い雨が振り出し、まもなく止む。ほっとしたのもつかの間、また雨の襲来。しかし雨雲はすぐに去り、日がさす。ときにアラレになり、師走が近づくとみぞれ模様になる。日本海側とその周辺だけに見られる天候だ。
朝の散歩を習慣にしているが、強い雨と風に怯んで二の足を踏む。晴れ間は期待できないので、小康状態を見計らって出る。しかし、雨がやんでいる時間は30分と続かないから、途中で降られる。上下雨具でないとひどい目に遭う。
しかし、悪いことばかりではない。時雨れると、虹が出ることが多いからだ。関東だと雷と虹は、夏の夕立を思い出させるが、北陸では雷も虹も初冬の風物詩になる。
上の写真は10月下旬に自宅2階から撮ったもの。きょうもほんの数十秒、虹のかけらが見えた。
雲と雨と光と風が目まぐるしく織り成す気象現象。その中を突き進めば、《非情な自然》に触れて、すこし心が晴れ晴れとする。
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