| シャリンバイの実 |
1月に心臓弁膜症の手術をして、術後よかったことが1つある。長年悩まされてきた耳鳴りが消えたことだ。心臓の病気と耳鳴りを関係付ける記事や情報を目にした記憶がないので、自分の経験を少し書いてみたい。
心臓に雑音があると指摘されたのは6年前の2015年9月29日に遡る。市の健診で女医さんに「心雑音がありますね」と言われた。それまで心臓に異変を感じたことはまったくなかった。子どもの頃から長距離走は苦手で、走ればいつも遅いグループ。学生時代から趣味で山歩きを始めたが、コースタイムは平均より遅く、山に行くたびに心肺機能が平均より劣ることを自覚させられていた。
健診の2か月後の11月になって専門病院で心臓のエコー検査を初めて受けた。「僧帽弁閉鎖不全」と診断され、毎年1回、検査を受けるように医者に言われた。日記をひっくり返すと、その頃から「耳の奥でドクドクが聞こえる」など耳鳴りの記述が見られるようになる。就寝前など静かにしているときに特に聞こえる。心拍に似た拍動性のリズムなのだが、僧帽弁閉鎖不全と結びつけて考えることはなかった。ネットで「耳鳴り」で検索しても、心臓病との関係を記した情報は見当たらなかった。
翌年1月になってから耳鼻科と脳神経外科(MRI検査)で調べてもらったが、耳鳴りの原因は分からなかった。その後も耳鳴りが止むことはなかったが、諦めて気にしないように努めた。
しかし、去年(2020年)6月ころから耳鳴りが強くなった。そして、10月末、所要で途中下車した高岡駅のホームから階段を上り終わったところで強い動機がした。「ああ、病気が進んだな」。12月に予約してあった病院の検査で進行が判明するだろうと確信した。耳鳴りと心臓病との関係も間違いないと感じた。
はたして12月の検査結果を診て、医者は症状が進んだので手術したほうがいいとの診断を伝えた。執刀する外科医と初めて面会したとき、耳鳴りと弁膜症の関係を尋ねると、「そういえば術後、耳鳴りが消えたという患者さんもいましたね」と答えた。結局、僧帽弁だけでなく大動脈弁も悪く、2つの弁を置換する手術になった。耳鳴りがボリュームアップしてきたのも僧帽弁に続き、大動脈弁も機能不全になってきたからだったのだ。
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