2022年4月2日土曜日

春の里山



 金沢の平栗にカタクリを見に出かけたが、まだ時期が早くほとんど咲いていなかった。そのかわり、キクザキイチゲが思いのほか多く見られたのはよかった。ほかにショウジョウバカマやスミレ。木の花ではサンシュユの黃が鮮やかで目を引いた。コブシはまだつぼみだった。

 バスを使ったので、行きに1時間、帰りは野田山墓地の方へ下りたのでバス停まで2時間ほど歩き、何十年ぶりかに血豆ができた。去年1月に手術をしてからこんなに歩いたのは初めて。疲れることにより得られる、いい意味での脱力感を喜んだ。もう本格的な山歩きは無理だろうが、機会を見つけて里山や高原歩きを楽しみたい。

 小さな池のほとりで、持参の玄米おにぎりを食べた。玄米ご飯は、いやでもよく噛まざるを得ない。いやこの言い方は間違い。何度も噛むことで、米粒が糖化されて口の中に旨味が広がる。老いることのよさの1つは、シンプルの良さを再発見していくことだろうか。


 シンプルといえば、歩くことも移動手段として最も基本になるものだろう。出かけたのは土曜だったので、この里山を訪れる人は少なくなかったが、歩いてくる人は見かけなかった。歩いたことで、群生地を外れた、クルマからは目に入らないところにポツンと咲いていたカタクリに会うことができた。さらにスミレの花に次々留まるギフチョウを撮ることもできた。クルマを使うことで出会えないものやことも多いのだ。



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